💬インタビューレポート
一般市民
法案に関連する職業的な経験は発言内で示されておらず、一般的な関心を持つ立場として、制度比較や公表のあり方など多角的に意見を述べている
💬主な意見
実施件数の公表は犯罪組織に悪用されない粒度で
“実施件数などの公表はすべきだが、詳細を網羅的に公表すると犯罪組織がAI等を使ってより巧妙な犯罪に悪用する恐れがあるため、安全・公正に調査した旨がわかる程度の粒度にとどめるべき
被害の未然防止・最小化を最優先してほしい
“最大限、被害の未然防止・最小化に努めてほしい。国が運用を誤らなければ、個人のやり取りが悪用されることはなく、プライバシー侵害にはならないと思う
立法府が動くこと自体がトクリュウへの抑止になる
“トクリュウの高度化に対して立法府が何らかの策を打とうとすること自体が、トクリュウへのプレッシャー・抑止につながると思う。ただし内容は十分な検討が必要
🎤すべての会話ログ
本日はお時間をいただきありがとうございます。今回は「重大犯罪の被害を防ぐため、犯人が連絡に使った端末から情報を取得する法案」についてお話を伺います。さっそくですが、この法案であなたが特に気になること、または意見を伝えたいことに、いちばん近いものを教えてください。
その他(自由記述)
ありがとうございます。どのような点について関心がありますか?法案の中で気になるテーマを自由に教えてください。
被害切迫者には切迫していることが事前に伝えられ、その上で警察が調査するということ?
良いご質問ですね。少し補足させていただくと、実際の仕組みは少し違います。この法案では、警察が重大犯罪の発生や着手を認識し、被害を受けそうな人(被害切迫者)が特定できた場合、その人を守るための指導などの措置をとる義務があります(第8条)。そして、その措置に必要な情報を得るために、犯人が連絡に使ったと認められる端末を調べる「遠隔解析」を行います(第9条)。つまり、まず被害切迫者に知らせてから調査するのではなく、調査で得た情報をもとに警察が被害切迫者を守る、という流れです。また、事後に通知されるのは、調査対象となった端末(主に犯人側の端末)の使用者に対してです。 この点を踏まえて、改めてどのあたりに関心がありますか?
何をどのように調査したのか、それは必要最小限なものであるのかの線引きはどうやってするの
なるほど、「本当に必要な範囲に絞られているか、その線引きはどう担保されるのか」という点に関心をお持ちなのですね。実は法案では、裁判官が事前に許可状で対象端末と取得できる情報の範囲を具体的に定め、その範囲外の情報は提供禁止・消去が義務付けられています。とはいえ、現場での運用がその通りになるかは別の論点ですね。この点を踏まえて、期待していることや気になっていることを、もう少し具体的に教えていただけますか?
例えば具体的に何を調査するの
具体的には、犯人の端末に保存された通信アプリ(SignalやTelegramなど)のやり取りの中から、被害防止に必要な情報だけが対象になります。たとえば詐欺なら、だまそうとしている相手の名前や住所、だます方法、振込先の情報など。強盗なら、実行役への指示内容、襲撃する日時や場所、標的の住所などが想定されています。つまり犯人とのやり取り全体ではなく、「被害を防ぐために必要な事項」に絞って取得される仕組みです。 こうした具体的な取得対象を踏まえると、このテーマについて、期待していることや気になっていることを教えていただけますか?
具体例を可能な限り多く挙げて
いくつか例を挙げますね。詐欺の場合は、架電リスト(誰にかけるか)、使われているトークスクリプト(だまし方)、振込先口座、受け子の氏名や待ち合わせ場所など。強盗の場合は、標的となる家の住所や間取り情報、実行日時、役割分担(誰が見張りで誰が実行役かなど)、逃走経路の指示などが想定されています。いずれも「被害を防ぐために直接必要な事項」に絞られ、犯人同士の雑談など無関係なやり取りは対象外とされています。 ここまでを踏まえて、こうした調査の範囲の絞り込みについて、期待していることや気になっていることはありますか?
ラインやインスタ等のダイレクトメッセージなどもその対象になるわけよね
はい、LINEやInstagramのダイレクトメッセージも、犯人が連絡に使ったと認められる端末に保存されていれば対象になり得ます。LINEやSignal、Telegramなど、アプリの種類を問わず「端末に記録されたデータ」という点がポイントです。 ここまで、調査範囲の線引きについて詳しく伺いました。ここで少し視点を変えて伺いたいのですが、詐欺や強盗の被害を防ぐことと、スマホの中のやり取りなどのプライバシーを守ることについて、あなたの考えにいちばん近いものを教えてください。
被害を防ぐことを重く見るべき
あら。回答が止まっちゃったよ
失礼しました、続けますね。「被害を防ぐことを重く見るべき」というお考え、ありがとうございます。差し支えなければ、そう思われる理由を簡単に教えていただけますか?
最大限、被害の未然防止、最小化に努めてほしい。国が運用を誤りさえしなければ、個人的なやり取りが悪用されることはないわけで、プライバシーが侵される!ということにはならないように思うが。逆に反対の意見ってあるの?
ありがとうございます。「国が運用を誤らなければプライバシー侵害にはならない」というお考え、よくわかりました。 反対側の意見として多いのは、「運用を誤らない保証がどこにあるのか」という点です。たとえば、対象が『重大犯罪』『数人の共謀』といった抽象的な要件で定められているため、将来的に対象範囲が広がる恐れがあるという指摘や、本人に知らせずに通信内容を見られること自体が、結果が適正であっても権利侵害だという考え方もあります。つまり「結果オーライならOK」ではなく「過程そのものが制約を受けている」という捉え方ですね。 こうした法案の歯止め(裁判官の許可、情報の消去、事後通知、公安委員会のチェックなど)について、十分だと思うか伺いたいのですが、いちばん近いものを教えてください。
よくわからない
承知しました。判断しにくい点があれば教えてください。なければ次に進みますが、いかがですか?
共謀罪法って正式になんていうんだっけ?
いわゆる「共謀罪法」は、正式には「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(組織的犯罪処罰法)」の改正により、2017年にテロ等準備罪(組織的犯罪の計画段階での処罰規定)が新設されたものを指すことが多いです。今回の法案の「数人の共謀」とは別の法律ですが、どちらも「実行前の段階」を対象にする点で似た論点を持っています。 その点を踏まえて、法案の歯止め(裁判官の許可、情報の消去、事後通知、公安委員会のチェックなど)について、十分だと思うか、近いものがあれば教えていただけますか?なければ次に進みます。
そうだ。テロ等準備罪や通信傍受法が国民のプライバシーという点では似ているわけだが、これら二つと今回の法案の線引きに違いはある?また、この三つのうち、線引きが曖昧な順に並べるとどうなる?根拠とともに教えて
鋭いご質問ですね。整理すると以下のようになります。 **テロ等準備罪(組織的犯罪処罰法)**:対象犯罪が277類型に列挙されている。要件は「組織的犯罪集団」であることに加え、具体的な計画+「実行準備行為」(資金調達や下見など)が必要。捜査目的。 **通信傍受法**:対象犯罪も薬物・銃器・組織的詐欺など列挙されている。「十分な理由」という比較的高いハードルがあり、裁判官の令状が必要。捜査目的で、国会への年次報告義務あり。 **今回の法案**:対象は「重大犯罪」という抽象的な定義のみで、個別の罪名の列挙がない。「数人の共謀」も、テロ等準備罪のような「組織的犯罪集団」という縛りがなく、要件としてはより緩い。行政措置(捜査目的ではない)とされ、国会報告の規定もない。 **線引きの曖昧さの順(曖昧な順)**: 1. 今回の法案(対象犯罪を列挙せず、組織性の要件もない) 2. 通信傍受法(対象犯罪は列挙されているが、傍受対象が後年拡大された経緯がある) 3. テロ等準備罪(対象277類型を列挙し、実行準備行為という外形的要件もある) 根拠は、対象犯罪の列挙の有無と、組織性・準備行為という客観的な絞り込み要件の有無にあります。 こうした比較を踏まえて、次に伺いたいのですが、この法案には実施件数などを国会に報告したり公表したりする決まりがありません。通信傍受法では政府が毎年国会に報告していますが、この点についてはどうお考えですか?
通信傍受法を改正するのではダメなのか?あえてこの法案である必要はあるのか? 通信傍受法、テロ等準備罪のように対象犯罪を列挙しない意味はなんなの?
いいご質問です。政府の説明では、通信傍受法はあくまで「犯罪捜査」のための手続きで、事件が発生した後に、容疑を固めるために通信を傍受する仕組みです。一方、今回の法案は「捜査」ではなく「予防・阻止」を目的とする行政措置と位置づけられています。有識者検討会は、犯罪がまだ成立していない段階(被害が切迫しているだけの段階)でも警察が介入すべき場面が多いとし、捜査の枠組みでは対応できないとして、新しい法律立てにしたと説明しています。 対象犯罪を列挙しない理由については、匿名・流動型犯罪グループの手口は年々変化しており、具体的な罪名を列挙すると後から対応できなくなる、という柔軟性重視の考え方があるようです。ただし、これはご指摘の通り「列挙しないことで線引きが曖昧になる」というリスクと表裏一体で、まさに今回の法案の論点のひとつです。 こうした制度設計を踏まえて、改めて伺いたいのですが、実施件数の報告や公表についてはいかがお考えですか?
個別具体的に網羅的に公表したのでは、それこそその公表内容を犯罪組織がAIに食わせるなどして、より強化された犯罪を実行するのに使われるのではないか。 公表すべきだと思うが、あくまで安全に公正に調査したという旨わかる程度の解像度の情報の公表で良いと思う
なるほど、「公表はすべきだが、犯罪組織に悪用されない程度の粒度にとどめるべき」というお考え、よくわかりました。これは検討会でも指摘されていた『公表の粒度やタイミングを慎重に考えるべき』という論点と重なりますね。 具体的には、どのような情報なら公表して良いと思われますか?例えば実施件数の総数だけなら問題ないか、対象となった犯罪の種類(詐欺・強盗など)まで含めてよいか、といった粒度の感覚を教えていただけますか?
件数、種類、もう少し踏み込んじゃダメかな?
件数や犯罪の種類に加えて踏み込むとすれば、例えば「対象端末の特定に使った手がかりの種類(通報か内部情報かなど)」や「実際に被害防止につながった割合(効果検証の指標)」あたりは、具体的な手口を明かさずに信頼性を示せる情報として検討の余地があるかもしれません。一方で、対象アプリの種類や取得した情報の内容の詳細は、手口の推測につながるため慎重であるべき、というのが検討会でも共有されていた感覚に近いですね。 ここまで多くの論点を詳しく伺いました。最後に伺いたいのですが、今回の法案について、全体としての評価にいちばん近いものを教えてください。
どちらかといえば良いと思う
「どちらかといえば良いと思う」というご評価、ありがとうございます。差し支えなければ、どういった点からその評価になったか教えていただけますか?
トクリュウの高度化に対して何かしら立法府が策を打とうとしていることはトクリュウに対しての幾らかのプレッシャー、抑止に繋がりあると思うから。 内容は十分に検討が必要だとは思うけどね
「トクリュウの高度化に対して立法府が動くこと自体が抑止につながる」というお考え、よくわかりました。内容の精査が引き続き必要という点も含めて、バランスの取れた評価だと感じました。 最後の質問です。今回の法案について、国会や政府に伝えたいことを一つ教えてください。
熟議の国会でよろしくお願いします
「熟議の国会でよろしくお願いします」ですね、しっかり受け止めました。これまで、調査範囲の線引き、プライバシーと被害防止のバランス、通信傍受法やテロ等準備罪との比較、公表の粒度など、非常に多角的で深いお話をいただき、ありがとうございました。これまでの内容をまとめ、レポートを作成しますので少々お待ちください。
ありがとうございます。ここまでのインタビュー内容を整理し、レポート案を作成しました。内容をご確認いただき、修正が必要な点があればお知らせください。問題なければ「completeで」とお伝えください。
これ、安野さんに見てもらえるの?
ご質問ありがとうございます。いただいたご意見は、今回のレポートとして集約され、法案を検討する関係者(安野さんを含む)に共有される想定です。個人を特定する情報は含まれず、ご意見の内容が政策検討の参考資料として活用されます。 レポート内容について、修正したい点があればお知らせください。問題なければ「completeで」とお伝えください。
1コマのレポートの方が、バランスがいいな
ご要望を踏まえ、レポートの「具体的な主張」を1件に絞り、よりバランスの良い構成に修正しました。内容をご確認いただき、問題なければ「completeで」とお伝えください。
誤字った。最初に作ってくれたレポートの方が、バランスがいいから、それを提出したい
承知しました。最初にお作りしたレポート案の内容で提出用に確定いたします。本日は多岐にわたる論点について詳しくお話しいただき、誠にありがとうございました。
