💬インタビューレポート
法律に詳しい市民
明示的な職業は語られていないが、通信の秘密や公安委員会の組織構造、令状制度など法的・制度的な論点を具体的に指摘しており、法律に詳しい立場からの発言がうかがえる。
💬主な意見
合法的ハッキングが脆弱性放置やバックドア温存を招く懸念
“法執行機関が端末の脆弱性を突くことを認めると、メーカーや通信事業者が脆弱性を修正せず温存したり、バックドアを事前設置する誘因になりかねないと指摘している。
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本日はお時間をいただきありがとうございます。今回は「犯人が連絡に使ったスマホなどから、被害を防ぐ情報を警察が得られるようにする法案」について、お考えをお聞かせいただければと思います。さっそくですが、今回の法案で、あなたが特に気になること、または意見を伝えたいことに、いちばん近いものを教えてください。
法案のポイントをもっと知りたい
承知しました。簡単にポイントをお伝えしますね。 ① この法案は、詐欺や強盗といった重大犯罪の被害が広がるのを防ぐため、特殊詐欺や闇バイト強盗が相次いでいる現状をふまえて作られました。 ② 警察は、裁判官の許可を得たうえで、犯人が連絡に使ったと考えられるスマホなどに遠隔でアクセスし、被害を防ぐのに必要な情報(被害者の氏名や住所、犯行の日時など)だけを取り出せるようになります。 ③ ただし、事前に裁判官の許可が必要、関係ない情報はすべて消去、端末の使用者にはあとで通知、公安委員会が事後に確認する、といった歯止めも定められています。 この中で、特に気になる点や意見を伝えたい点はありますか?
犯人の端末を遠隔で調べる方法
ありがとうございます。犯人の端末を遠隔で調べる方法について、具体的にはどのような点が気になりますか?期待していることでも、不安に感じることでも構いません。教えてください。
具体的な手段は?
良い質問ですね。法案や公表資料には、具体的な技術的手法(どうやってスマホに接続するかなど)は書かれていません。対抗手段を取られないようにするため、あえて公表しない方針とされています。ただ、有識者の議論では「スマホの弱点(脆弱性)を利用する」「使う人をだます」といった手段が必要になる場面もあり得る、という意見が出ています。 こうした点を踏まえて、犯人の端末を遠隔で調べる方法について、期待することや気になることはありますか?
この法律が、例えば法執行機関による遠隔アクセスのためのバックドアの設置をメーカーや通信事業者に強要することにならないか?
鋭いご指摘です。補足させていただくと、この法案自体には、メーカーや通信事業者にバックドアの設置を義務づけたり強要したりする条文は含まれていません。警察が行うのは、ネットワークを通じて対象端末に接続し、端末の脆弱性を突くなどの方法で情報を取得することで、事業者側に特別な仕組みを作らせる制度ではない、という整理です。この点を踏まえて、改めてこの調べの方法についてどう感じられますか?
法執行機関が端末の脆弱性を突くことが許容されるなら、メーカーや通信事業者は法執行機関の法的拘束力のある将来的な要請に従うため、あえて脆弱性を修正しない、あるいはバックドアを事前に設置するようになるおそれがあるのでは?
なるほど、法執行機関による「合法的ハッキング」が、結果的に脆弱性の放置やバックドアの温存へのインセンティブを生むのではないか、というご懸念ですね。これは実際、法案の論点としても指摘されている点で、政府がスマホの未知の脆弱性を秘密にしておくこと自体が、一般利用者の安全に影響しうるという指摘があります。法案には、取得した脆弱性情報の開示や廃棄に関するルールは明記されていません。この点、セキュリティ全体への影響という視点から見ても重要なご指摘だと思います。 それでは少し視点を変えて、お伺いします。詐欺や強盗の被害を防ぐことと、スマホの中のやり取りなどのプライバシーを守ることについて、あなたの考えにいちばん近いものを教えてください。
法律の必要性は認めるが、憲法上保障された通信の秘密に対する侵害の危惧があり、立法化には極めて慎重。
ありがとうございます。必要性は認めつつも、通信の秘密という憲法上の権利への侵害を強く懸念され、立法には慎重な立場であるとのこと、よく分かりました。 それでは次の点についてお伺いします。この法案には、事前に裁判官の許可を得ること、関係ない情報は消すこと、端末を使っていた人にあとで知らせること、公安委員会が正しく行われたかを確かめること、といった決まりがあります。こうした決まりで十分だと思うか、いちばん近いものを教えてください。
十分ではない。公安委員会は内閣府の外局であり、憲法上の疑義のある法律の運用にあたり、中立的な第三者機関たりえないと思うので。
ありがとうございます。公安委員会が内閣府の外局という位置づけ上、中立的な第三者としてチェック機能を果たせるか疑問がある、というご指摘ですね。独立性の高い監督機関が必要だという問題意識としてしっかり受け止めました。 では次の点をお伺いします。この法案には、実施した件数などを国会に報告したり、公表したりする決まりはありません。捜査のための通信の傍受では、政府が毎年、国会に報告しています。信頼のために、あとで振り返れる形で公表することが大切だという意見がある一方で、公表で犯人が対策をとれるようになると効き目が落ちるという意見もあります。この点について、いちばん近いものを教えてください。
国会への報告や公表を義務にするべき
ありがとうございます。国会への報告や公表を義務にするべき、とのことですね。具体的には、どのようなことを報告・公表してほしいとお考えですか(例えば実施件数、対象になった犯罪の種類など)。
実施件数、対象の犯罪の種類、実施した組織・部署名、最終決裁者、裁判所による執行令状の完全公開。
ありがとうございます。実施件数や犯罪の種類だけでなく、実施組織や決裁者、さらには執行令状の完全公開まで求められるとのこと、透明性確保への強いお考えがよく分かりました。 それでは、今回の法案について、全体としての評価にいちばん近いものを教えてください。
法案の必要性そのものは理解するが、民主的統制について十分に検討されているとは言えないように思われる。
ありがとうございます。法案の必要性自体は理解されつつも、民主的統制の検討が不十分だという点が評価を左右されているのですね。よく分かりました。 最後に、この法案について、国会や政府に伝えたいことを一つ教えてください。
現政府は国民の人権を侵害・制限する法案を立法するにあたっては、当該法案を性善説的前提に立って立法するのではなく、政府による濫用を最大限に想定したうえで、実効性のある歯止めの仕組みを実装する必要がある。
ありがとうございます。政府に対して、性善説ではなく濫用の可能性を前提とした実効性ある歯止めの設計を求める、という明確なメッセージとして受け止めました。 最後に一点だけお伺いします。もし今おっしゃったような、独立した監督機関の設置や厳格な国会報告義務など、実効性のある歯止めの仕組みが実際に法案に盛り込まれたとしたら、先ほどの法案全体への評価は変わりそうですか?
変わります。
貴重なご意見、ありがとうございました。通信の秘密への配慮や、公安委員会の中立性、民主的統制の仕組みづくりなど、法案の制度設計そのものに関わる重要な視点を多数共有いただき、大変参考になりました。 これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。ご協力いただき、誠にありがとうございました。
ありがとうございます。いただいた内容をもとにインタビューレポートを作成いたしましたので、ご確認をお願いいたします。内容に過不足や修正したい点がございましたら教えてください。問題なければそのまま完了とさせていただきます。
ありがとうございます。これまでの内容をもとに、インタビューレポートを作成しました。内容をご確認ください。
